俺は用心棒

『新選組血風録』の脚本:結束信二・監督:河野寿一が、同じく主演で人気の出た栗塚旭を主演にしたのが『俺は用心棒』(テレビ朝日系列で1967年4月3日~9月25日放送)です。1話完結の物語ですが、攘夷論が吹き荒れだした安政年間から始まり、鳥羽伏見の戦いで最終回(全26話)を迎えるという時間の流れに沿っているのがユニーク。
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主人公は自ら野良犬と名乗る素浪人。酒ばかり飲んでいますが剣の腕は超一流。野良犬と行動を共にするのが品田万平(左右田一平)で、料理好きの柔術家。野良犬と何故か気が合い、色々なエピソードに絡んでくるのが沖田総司で、『新選組血風録』で好評だった島田順司が同じく沖田を演じています。京都に舞台が移った10話から、長州の刺客・新太(中野誠也)が登場し、野良犬と奇妙な友情が結ばれていきます。
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第1話では沖田と島田の登場はなく、近衛十四郎が特別出演。ロングに耐える彼らしい殺陣を見せてくれます。藩政改革を唱えたために追われる藩士と腰元は、若党(市川好郎)の実家の居酒屋(吉田義夫)に逃げ込み、たまたま店にやって来た野良犬(栗塚旭)が追手を蹴散らしている隙に藩士と腰元は脱出。しかし、藩士は追手に斬られ、腰元は通りかかった浪人(近衛十四郎)に救われます。浪人は腰元の用心棒になり、腰元の実家まで送り届けることを約束。藩士の友人で腰元の恋人だった男(丹羽又三郎)が、家老(原田甲子郎)の娘(橘ますみ)と結婚することになって仲間を裏切ったことがわかり、若党は藩政改革派が集まる腰元の実家まで知らせに行くことになります。野良犬は飲み代の代わりに若党の用心棒を引き受け、追手を倒しますが、斬りあいの最中に若党は裏切者に斬られて死にます。
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沖田は2話から、品田は4話から登場です。2話では清川八郎(岡田英次)、3話では芹沢鴨(遠藤辰雄)、4話では高杉晋作(菅貫太郎)といった歴史上の人物が登場。高杉は12話に、芹沢は12話と13話にも登場します。13話は芹沢鴨暗殺の前日談というようなエピソードで、ラストは史実通り沖田たち新選組による芹沢暗殺ね。
最終話は、鳥羽伏見の戦いが勃発。病んだ沖田は手習いの女師匠(扇千景)に匿われていましたが、女師匠に横恋慕していた口入れ屋(徳大寺伸)が官軍に密告。野良犬と品田万平は官軍を相手に沖田を大阪へ逃がします。女師匠は流れ弾に当たって死亡。
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脚本の結束信二が「スーパーマンがひとりいれば、世の中の悪は全て消えてしまう、万事解決してしまうという時代劇の安易さが厭だった」と語っているように、予定調和型の時代劇とは異なる辛口な内容になっています。主人公の野良犬は、体制派でもなく反体制派でもなく、幕末の騒乱を冷やかに見つめているノンポリ浪人。勤皇派にしても佐幕派にしても、出てくる人物は高邁な思想などは持っておらず、他人の尻馬に乗って騒ぐ品性下劣な奴ばかり。シリーズ前半は、争いに巻き込まれた庶民が不条理に死んでいくことに納得感があったのですが、後半は主人公の活躍に無常感を出させるためか、無理やり悲劇にするような感じであっけなく命を落とす結末が多くなったのが残念。
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『新選組血風録』ではそれほど目立った存在ではなかった左右田一平ですが、料理の蘊蓄を語り、自ら料理して時には失敗する人の好い真面目さが可笑しみを誘う品田万平役はグッド。朴訥としたナレーションも良かったで~す。
フォーコインズが歌う『俺は用心棒』の主題歌「おとこ独り」は、ドラマにマッチした名曲。挿入歌の「野良犬がいく」はシーズン前半に2~3回使われただけでした。『俺は用心棒』のヒットによりシリーズ化され、『帰って来た用心棒』では、「野良犬がいく」を主題歌にして栗塚旭が歌っています。
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